こんばんは。
日経新聞の記事で興味をひくものがありました。
この記事、中小企業診断士の勉強でも論点ですね。
企業の財務の安全性を示す指標である自己資本比率が、昨年4割を超えたそうです。
記事にもある通り、自己資本が分厚いということは、債権者からすると非常に喜ばしいこと。
でも、自己資本比率が高いということはどういうことなのか。
ROEとの関係は?
角度を変えてみると、自己資本比率が高いことを一概に喜ぶことはできません。
勉強のアウトプットを兼ねて、つらつらと書き連ねていきたいと思います。
自己資本比率を求める式は…
「自己資本比率=純資産の部/総資本」です。
これが高いということは、他人資本=買掛金残高や銀行からの借金、社債券が少ないということ。
ここだけ見ると、非常に健全じゃないかと思えます。
ですが、企業は利益を上げることが第一で、多くの企業との競争に勝ち抜かなければなりません。
守りも固めなければなりませんが、取るべきリスクを見極めて、そこにはしっかりと投資していかなければならないのです。
投資をする際には、先立つものが必要になりますが、これはなかなか自己資本では賄うことができません。
なぜなら、自己資本を増やすということは通常株式を発行するということになり、とても面倒くさいのです。
場合によっては、株主総会決議が必要になる場面もあります。
ですが、銀行から新規借入をすることは「重大な借財」にあたり、取締役会決議事項ですので、機動力をもって意思決定ができます。
また、昨年マイナス金利が話題になりましたが、以降、企業は銀行に対して少し強気に出ることができているはずです。
経営の苦しい企業も、銀行に対して強気とまではいかないまでも、銀行からのあたりが優しくなったのでは?
低金利で借り換えをしたり、担保を外したり、代表の連帯保証を外したり。
金利が下がるということは、借入のハードルが下がり、投資に対して積極的になれるということ。
投資をする際の資金調達方法として、他人資本を取るか、自己資本を取るかということが問題になります。
株主へのリターンである配当と、銀行、社債権者へのリターンである利息、どちらが安いのか。
コストの安いほうで資金調達し、投資を実行するわけです。
実際は、他人資本のほうが低コストなので、銀行借り入れのほうが多く選ばれるのですが。
さてここで本題に戻ります。
多くの場合銀行借り入れのほうがコストが低く、尚且つゼロ金利、マイナス金利という低金利時代に、自己資本比率ばかり上げるメリットはあるのか?
取引するにあたり、与信管理するにあたり、自己資本比率を高めておくことは重要です。
でも、会社の存在意義は、まずもって利益を上げること。
利益があるからこそ、従業員や社会にも還元できる。
ですから、守りも大事ですが、しっかりと投資をしていかなければなりません。
つまり、投資が増えるなら、借入金も増え、自己資本比率も相対的に下がるはず。
でもそうなってはいない。
なぜでしょうね?
ちょっと長くなってしまいそうなのと、知識を整理する必要があるので(おい)、二回に分けたいと思います。