こんばんは。
診断士試験の勉強もぼちぼちはじめておりますが、テキストと過去問に加えて、もう一つ読んでおくべきものがあります。
それがこれ、「中小企業白書」
1次試験の「中小企業経営・政策」では論点の中心にもなりますね。
私はTACのテキストで済ませてしまいましたが…。
2次試験を受けるにあたっては、白書でも挙げられているような問題、課題を認識していないといけません。
試験の与件文章に出てくる事例企業も当然に中小企業ですので、白書にあるような課題を有している可能性が非常に大きいからです。
2次試験は中小企業における問題課題が広範に散りばめられています。
1次試験の知識は、まさにこれらの問題課題を解決するため知識。
ですから、与件文章からしっかりと課題を抽出する必要があります。
このときに、中小企業が抱えている問題・課題集である中小企業白書を読んでいるか否かで、差がついてくる、はず!
さて、この中小企業白書、買ったのは昨年の一次試験が終わった直後。
2次試験に向けて~というつもりでしたが、ボリュームも多いので結局手付かず。
それに、試験作成の都合上?平成29年度の試験としては、2016年版が出題範囲になります。
そんなわけでつい最近まで積読状態、やっと手を付けるに至りました。
気になる内容は…
第1部第2章「中小企業のライフサイクルと生産性」では、日本の開廃業の現状がテーマに。
第2部では「起業・創業」、「事業の承継」、「新事業展開の促進」、「人材不足の克服」がテーマに。
他にもいろいろなテーマがありますが、上記のテーマはとても興味のあるもの。
日本の企業の99%が中小企業未満の規模で、小規模企業は85%を占めます。
従業者数では、中小企業と小規模企業を合わせると全体の70%を占めています。
この数値から見ても、中小企業が元気にならないと日本経済は立ち直れないという現実が見えてきます。
その中小企業の新陳代謝の悪さを示しているのが開廃業率。
開業率が高いほうが良いというのはわかりやすいですよね。
新たな技術やアイデアを事業化しやすいということですから。
一方の廃業も、銀行や政府の支援を受け続けてなんとか凌いでいるというような企業は、一旦リセットしたほうがよいのではと思います。
支援を受けている身では、リスクもとっていくことができず、人を切って、ノウハウもモチベーションもなくなってしまったのなら…。
セーフティネットや受け皿、制度がしっかりしていれば、その失敗で終わりにはならないはず。
UNIQLOの柳井会長も廃業はしていないけど、一勝九敗と言っている。
大成功をしている人ほど、その裏にはいくつもの失敗がある。
だから、失敗し、ときには廃業することも悪いことではなくて、成功へのプロセスだと考えるべきなのです。
無理に廃業させずにいきながらえさせるほうが、不健全で、成功への道を閉ざしてしまっているようにすら思えます。
さて、その一方で、廃業させたくないのに廃業せざるを得ないということもあります。
それが後継者不足や事業譲渡先が見つからないことによる廃業。
こちらはとても問題で、本当はノウハウ、技術があるのに、辞めざるを得ない。
こんな記事もあります。
「後継者不足で損失22兆円、130年の老舗旅館が廃業せざるをえなかった事情」
記事の中では大廃業時代とありますが、実際には、2000年に入ってから、開業率も廃業率も横ばいです。
他の先進国との比較では、日本だけ開業率廃業率共にほぼ並みのない線になってしまいます。
でも、後継者不足による廃業による経済的損失がとんでもなく大きいことは確か。
倒産件数は減り続け、バブル崩壊前の水準にまで落ち着いたそうですが、開業廃業もどうにかしたいところ。
私もいずれは…、あまり具体的に言えないのが残念ですが、開業率向上に貢献できればと思っております。
行政書士として開業届も税務署に提出していますし、自分の会社を持ちたい気持ちもありますが、今のところ今の会社を辞めたいわけでも、辞めようと思っているわけでもないという。
そこのあたりについては、また「起業・創業」の項でいろいろと書かれておりましたが。
起業をするにあたって、現在の職場を辞めない、兼業として起業するつもり、という男性が15%前後もいるそうで、少し勇気付けられました。
会社の中にいながら自分の会社を起業して、うまく折り合いをつけていけたら幸せだろうなぁと思っております。
多様な働き方ができる社会になるといいですよね。
最後にこの中小企業白書、がっつり読みたい方は購入がオススメですが、中小企業庁からPDFでダウンロードすることも可能です。
全文だけでなく、気になる章だけダウンロードすることも可能ですし、要約、概要といった忙しい人向けのものもあります。
よろしければここからダウンロードしてみてください。