ここ数年でしょうか、色々なところで「メタ」という言葉を聞くようになりましたね。
先日、メタ思考についての面白い本を読んだので紹介いたします。
そもそも「メタ」ってなに?
でも…メタ認知、メタ思考、耳にはするけれど、そもそもメタって何よ??
という方も多いと思います。
私はHTMLベタ打ちでサイト作成、運営をしていたこともあるので、以前からメタという言葉は知っていました。
HTMLというのはメタ言語と言われます。
また、その中にメタタグというものもあり、このブログでも使っております。
メタタグというのは、サイトの情報を検索エンジンやブラウザに伝えるためのタグですね。
メタ言語は、HTMLやXMLのようなマークアップランゲージです。
どういうものかというと、文章を記述、表現するための言語、です。
言語を書くための言語がメタ言語。
「言語を書くための」言語=メタ言語
なんとなくイメージできますでしょうか?
メタ言語でメタをイメージしてみる
例えば、「今日は晴れです」という文章は、このブログの中では
<body>今日は晴れです</body>
と記述されます。
これを太字にしたければ
<body><strong>今日は晴れです</strong></body>と書きます。
イメージしていただくための説明なのでHTMLはここまでにします。
文章を太くしたい、イタリック体にしたい、箇条書き、ナンバリングしたい。
そんな目的に合わせて、タグで文章を囲ってやるのです。
だから、言語を書くための言語なのです。
いやだから、「メタ」ってなによ…
でも、まだ「メタ」ってなによ?ですよね(笑)
メタとは、ひとつ上の次元のことです。
いまこのブログはSurface Pro4で書いていますが、このSurfaceをメタ的に言うとパソコンです。
さらにメタると、電子機器、有形資産、といったところでしょうか。
ここまでくればなんとなくでもイメージが付いたかと思います。
住所でいえば、渋谷区→東京都→日本→アジア→地球、みたいな。
もう一度言います。
ひとつ上の次元です。
上位概念と言ったらわかりやすいですかね。
メタ思考トレーニング
メタがわからないという方は多いと思いますので、先に説明を入れさせていただきました。
ここからやっと本題です。
「メタ思考トレーニング 」という本を読みました、というお話です。
つまり、一つ上の視点から物事を考えるトレーニング、ということですね。
書中、このメリットとしてみっつ挙げられています。
- 成長するための気付きを得られる。
- 思い込みや思考の癖から脱することができる。
- 上記二つにより得られた気付きや発想の広がりを基に、さらに創造的な発想が生まれる。
このみっつ、欲しい!!ですよね?
読み進めていって、のめり込んでしまったので、著者である細谷氏の別の著書も読んでしまいました。
メタ思考、まだまだ強化中、です。
メタ思考ができない残念な人たち
メタ思考ができていない人の例も挙げられていました…。
- 感情にまかせて行動する人
- 思い込みが激しい人
- 常に具体的でわかりやすいものを求める人
- 自信満々の人
- 他人の話を聞かずに一方的に話す人
- 「自分は特別だ」という意識が強い人
本を読んだ後だから言えることかもしれませんが、確かにここに挙げられたような人達って、普段の何気ない会話から、一種の傾向がみられますね(自戒を込めて)。
1.については、自分の怒りや感情の起伏について、メタな視点に立てない、つまり自分を客観的に見ることができないということ。
怒っている原因を考えれば、感情的になっても仕方ない場面だと気付いて、落ち着いて話し合うこともできます。
怒っていては何も解決しなかったことが、話し合いで解決することもありますよね。
2.4.もやはり自分を客観的に見れていない典型的な例。
6.もそうですね。
「うちの会社は変わってるからねぇ」という人に、「では具体的に、どのあたりが変わっていて、他とは違うのでしょうか?」と聞いてみると、きっと具体的な説明は得られないでしょう。
或いは他の会社や業界でもよくある程度のことだったり。
メタの視点で考える
本書では、メタ思考をトレーニングする準備段階として、みっつ挙げています。
- 自分を客観視する
- 無知の知
- 「○○そのもの」を考える
自分を客観視する
自分を客観視、というと、感情的になって「自分を客観視できるんです!」なんて辞任会見で述べた総理を思い出しますが。
あの一場面を見ても、自分を客観視できないと恥ずかしい思いをするということがわかりますね。
無知の知
これはソクラテスですね。
孔子にも同じような言葉が残されています。
無知であることを知る、これは本当に大事で常に戒めなければならない言葉。
この気持ちを無くしてしまうと、人としての成長も終わりだとすら思います。
自分は知っているんだと思ってしまうと、視界が狭まります。
知らないから興味をもって、なぜ?なぜ?と知ろうとします。
人よりもある分野で知識があったとしても、まだまだ何も知らないんだと、謙虚になれる人が成長する人です。
何かを成し遂げた人のインタビューを見ていると、皆さんとても謙虚ですよね。
研究室のみんなの力があってこそ、コーチのサポートがあってこそというのは、ただ感謝の弁というだけではないと思います。
本当に、周囲の人が知恵を出し合って、サポートしたからこそ、その人の偉業は成し遂げられた。
アインシュタインの相対性理論も、それより前の多くの研究結果、論文があったから生まれたもの。
ピラミッドも指示をしたのは王かもしれないが、多くの人が作り上げたもの。
会社で生まれるサービスや製品なんて、それこそ従業員の地と涙の結晶です。
無知の知、忘れるべからず、です。
「○○そのもの」を考える
これは中小企業診断士の勉強の中でも出てきました。
まさにVEの発想です。
そのものの本質を考えること。
消費者は冷蔵庫が欲しいんじゃなくて、食料を保存したいんです。
左右上下、時には割って中を見てみないと、なかなか本質は見えてきません。
割れないしても、可能な限り多面的に物事を考えることは大切ですね。
ここまでが準備段階、第1章です。
Why型思考とアナロジー思考
さて、この本はここからが本番です。
第2章「Why型思考」
第3、4章「アナロジー思考」と続きます。
長い、ですね…。
Kindleで読みましたが、ここまで読書の進捗は14%!
本によっては、序文と目次を終えたら10%超えているようなものもあります。
このことからもこの本の内容の濃さがうかがえます。
さて、ここからは、是非皆さんで読んでみてもらいたいと思います。
内容もトレーニングそのものに入っていきます。
本書、副題が「発想力が飛躍的にアップする34問」です。
事例を並べ立てるだけでなく、実際に読者に考えさせて、メタ思考をトレーニングすることができます。
まとめ的なもの
私がこのメタ思考に興味を持ったのは、問題解決には目の前のことを見ていてはだめだなという想いが、日々の中で蓄積されていたからです。
職場において、問題を目の前にしてどのように事に当たるか。
とりあえず障害を取り除いてやることは、すぐにできるかもしれません。
でも、根本的な問題が解決しておらず、対症療法でしかない場合があります。
これでは、また別の人との間で問題が生じる可能性もあります。
本質的、根本的な部分を解決するには、よくよく考えていかなければなりません。
そんなときに課題を深掘りするには、メタ思考が欠かせない、と思ったわけです。
最後に、書中にHow志向とWhy志向という言葉が出てきます。
問題に対していきなりHowと問うてしまうのではなく、まずWhyで深掘りしていく、ということが述べられています。
書店のビジネス書コーナーに行くと、How志向な本が無数に並べられています。
具体的で、バズワードがちりばめられていて、「図解!○○」とか、「○時間でわかる、○○」等々。
私もよく読みますし、分かりやすくてよいとは思うのですが、タイトルの通りに分かった気でいると痛い目を見ます。
有用であることは全く否定しませんが、そういった本ばかり読んでいても、なかなか深みが出てきません。
時には分厚い本とじっくり向き合ったり、まったく異分野の本に触れてみたりすると、閃きが生まれると思います。
11月に入り日も短くなりました。
秋の夜長、読書の秋。
是非色んな本に手を出してみてはいかがでしょうか。
ではでは。