サラリーマン行政書士の読書日記

本ブログは、サラリーマン行政書士である私が、本業、副業、中小企業診断士に挑戦若しくは奮闘する様及び読書記録を綴るブログです。

『コンテナ物語』ビジネスモデルがキャズムを超えるまで。

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本日紹介するのは『コンテナ物語ー世界を変えたのは「箱」の発明だった』、ビジネス書の名著です。 

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

 

 

この本を知ったきっかけは、成毛氏の「本棚にもルールがある」で紹介されていたから。

また、サラリーマンとしてもコンテナにはちょこっと関連する話題でもあるから。

そして何より、「NewsPicks Magazine vol.2」のなかでビル・ゲイツ氏が推薦していたから。 

 

マイクロソフトへの愛着(蛇足から始まる)

 

成毛氏は日本マイクロソフトの元社長、ビル・ゲイツは言うまでもないですが、マイクロソフトの創業者です。

この二人が同じ本を推薦しているということも何かの縁を感じますね。

 

私自身、マイクロソフトのフラッグシップモデル、SurfacePro4を愛機としておりますし、サティア・ナデラ氏がCEOになってからのマイクロソフトにはよいイメージしかありません。

 

思い返せば、初めての自己所有PCのOSはWindows98SEで、その後もME、XP、Vista、7、8.1、10と、ほとんどのコンシューマ向けOSを使ってきました。

ちなみに、はじめて触れたPCはMS-DOSでした。

ゲームにしか使わなかったですが、インストールするとき、起動するときにはコマンドを打っていたような記憶があります。

 

さらに言えば、とても短い期間ではありましたが、WindowsPhoneも持っていました。

あれは深入りせずに辞めてしまって正解ですね。

モバイルプラットフォームはiOSとAndroidに任せておけばよいです。

 

色々と文句を言われることの多いWindowsですが、やはり20年来使い続けているので、愛着がないわけがありませんね。

 

それはさておき、やはり複数人の推薦があると、「これは読まねば!」となるものです。

そんなわけで、『コンテナ物語』、読みました。

 

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『コンテナ物語』はコンテナの物語にあらず

 

なんのこっちゃですね。

この本はタイトルの通り、コンテナがどのようにして生まれ、どのように世の中に広がっていったかという物語です。

マルコム・マクリーンというトラック野郎が、先見の明をもってしてコンテナを用いて海運業界にイノベーションをおこしていく。

その過程が物語として書かれています。

 

ただ、そのような物語として読んでも面白いのですが、ビジネス書として多くの人から推薦されるのには訳があります。

それは、この本でマクリーンとコンテナが直面する課題は、あらゆる業界、市場でイノベーションを起こすときに直面する課題と、本質的に同じだからです。

 

その意味で、『コンテナ物語』はコンテナだけの物語にあらず、というわけです。

 

コンテナはあったがイノベーションが起きていなかった

 

マルコム・マクリーンがトラック野郎として身を起こし、海運に興味を持ち始めたころ、実は既にコンテナというものは存在していました。

そう、マクリーン自身が「コンテナ」という箱を発明したわけではないのです。

でも、コンテナ物語の主人公はマクリーンなのです。

 

どういうことでしょうか。

まず再確認しておきたいのは、イノベーションの定義です。

経営学者のシュンペーターによれば「イノベーション=発見+市場化」です。 

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コンテナそのものは発見、発明されていたのですが、イノベーションが起きるには市場化待ちだったということ。

この市場化の実現に大いに貢献したのが、マルコム・マクリーンだったのです。

それゆえにコンテナ物語の主人公はマクリーンなのです。

 

この物語は、イノベーションの本質を考えるうえで興味深い事例ですね。

発明、発見だけで何かが変わることはなくて、それをどう市場化するかが問題。

 

そして、どう市場化するかという問題は、どうキャズムを越えるかという問題でもあります。

 

コンテナがキャズムを越える

 

キャズムとは、市場に出た製品なりサービスなりが直面する大きな谷です。

販売を開始すれば、一応は市場に出たことになります。

ただ、まだまだマニアックな層(イノベーター)しか買い手がおらず、世に出ただけの段階です。

 

それから、流行りもの好きの層(アーリーアダプター)が嗅ぎ付けて、ある程度の販売量を確保しますが、まだまだ「市場化」には至っていません。

 

次に来るのがアーリーマジョリティで、大衆の中でも手の早い層です。

アーリーマジョリティまで広がると、一気に市場が拓け、製品やサービスは市民権を得たと言えるでしょう。

 

ただ、このアーリーマジョリティへアプローチすることが、とてつもなく難しいというのです。

多くの製品、サービスは、アーリーアダプターまでで力尽き、アーリーマジョリティとの間にある谷を越えることができません。

これがキャズムと言われる谷、ということになります。

 

さて、では海上コンテナはどうだったのでしょうか。

言うまでもなく、キャズムを越えたからこそ、『コンテナ物語』として取り上げられ、いまの経済を作った50の重要な発明に数えらるわけですね。

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では、コンテナはどのようにしてキャズムを越えたのでしょうか。

 

キャズムを越えるのに最も重要なお膳立てをしたのは、トラック野郎、マクリーンでした。

それが1956年のことですが、それ以降はマクリーンだけの力によるものではありませんでした。

このひとつの箱、コンテナが、グローバリゼーションを巻き起こすのには、とても多くの人や組織がかかわっています。

 

それがどのようなものだったか、そこそがこの物語のミソなので、ぜひともじっくり読んでいただきたいです。

このブログでは、マクリーンをはじめ、多くの関係者がクリアしていった課題のみ挙げておきます。

 

  • 労働者、労働組合に変化を受け入れさせた上で、合理化。
  • 古臭い港湾施設と行政システムの刷新。
  • 船、鉄道、トラックという複数の輸送手段の標準化。

 

たったみっつに絞りましたが、それぞれについて多くの紙面を割いておりますし、それ以外にも様々な切り口から、コンテナがキャズムを越えるための多くの物語、そしてコンテナがもたらした恩恵について、書かれています。 

 

まとめ的なもの

 

コンテナというこの一見地味な箱は、消費者の知らないところで物流の歴史を塗り替え、また日本の高度経済成長や中国の急成長を支えているのです。

その後の多くの発明を世界中に届けることに、大いに役立っています。

 

これは発明の市場化になくてはならないことであり、コンテナによって多くの発明がイノベーションに繋がったと言っても過言ではないでしょう。

 

最後に、書店でこの書籍を探し、手に取ってぺらぺらとめくってまず驚いたこと、それは巻末資料の多さです。

索引、参考文献、原注、このみっつで実に90ページも割いています。

当然、書中には細かな数値が多く出てきて、綿密な取材があったことが伺えますね。

コンテナによるイノベーションの端緒を開いたマルコム・マクリーンも素晴らしいですが、著者であるマルク・レビンソンも尊敬に値します。

 

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

 

 

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